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バラ典, Bara-ten

タビ型の園芸品種は数多くあって、朱色や紫色の花を着けるものは名札が取れてしまうと、外見での同定は困難となります。まず無理と考えて良いでしょう。それくらい似通った品種が多数出回っています。かつて(昭和30年代)にメセンブームがあった頃、急増した需要を満たすために、実生で増やした個体に片っ端から品種名を付けたのが原因とも言われています。以来40年、名札の取り違え、書き間違いなど、種々の理由で品種名は混乱状態にあると言って過言ではありません。

バラ典, Bara-ten_d0079818_0544712.jpg

そのような似たものが多い園芸品種の中で、一際異彩を放つのがこの'バラ典'です。コノフィツムハンドブックで「ツヤ消し肌。特殊な紫赤色花」と紹介されていて、とても気がかりな品種でしたが、どこのカタログにも収載されていなくて、長らく探し求めていたのでした。

2年程前、ある業者のカタログに'バラ典'が出たので、大喜びで注文したのですが、残念ながら肌はすべすべ。花色もオレンジ色と全くの別品種でした。古い園芸品種ではよくある事ですが、札違いになっていたようです。結構いい値段だったのに残念でした。ところがある日、CR氏のリストを見ていたら、何と'Bara-ten'が載っているではありませんか! どの品種も似たり寄ったりと書かれていたので、半信半疑で注文して届いたのがハンドブック通りのツヤ消し肌。これは期待出来ると、1年間待って咲いたのが上の写真です。たぶん「当たり」でしょう。海外からの里帰りという感じで感激しました。

ひょっとしたら国内の趣味家の棚で、増えすぎて持て余していたりするのかも知れませんが、古い品種で正確な株を手に入れるのは本当に難しいです。ハンドブックに収載されている株でも、既に絶えてしまったものや名前が混乱しているものも多いでしょうね。園芸品種や選抜個体は日本の宝のような存在と思いますから、正確な株をきちんと保存して行きたいものです。
by conocono123 | 2006-10-23 01:12 |  昼咲類 (6)
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